脇汗
空気全体がどんよりし、じめっとした汗を大量にかく時期になりました。こうなるときになるのが、脇汗や体臭。脇汗が多いことで困った経験をした人は、意外と多いのではないでしょうか。
脇は、他の部位よりも汗の量が多く、ニオイも気になる部位なのです。
自分だけでなく、周りの人を不快にさせないためにも、まずは脇汗の原因を知り、今すぐできる対処法から試してみましょう。
脇汗あるある
脇汗をかくことで恥ずかしい思いしをしたことや、困ったこともたくさんあるのではないでしょうか。例えば次のような経験をした人、いませんか?
- グレーの服を着たとき、脇汗が目立った
- 白い服の脇が、いつの間にか黄ばんでしまった
- 脇汗が気になって
・ジャケットが脱げない
・電車のつり革を持てない
・手が挙げられない
できたら脇汗を気にしない生活を送りたいものです。
脇汗をかくメカニズム
夏場の暑い時期だけ汗が気になる人もいれば、一年中汗っかきで悩まされている人もいるのではないでしょうか。
私たちの体にとっての「汗」は、体温調節という大事な役割をしています。人間が自分の体温をコントロールし、健康な体を維持していくためには、「汗をかく」という行為はなくてはならないものです。ただし、その汗の量も多すぎると、生活に支障を来すことになります。
まずは、自分の汗の量が正常なのかどうか、きちんと把握することが必要です。
そもそも脇は、他の部位より汗をかく量が多いとされています。
汗は汗腺と呼ばれる、皮膚内にある管状の腺から出てきます。汗腺には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2つの種類があります。
このうち、「エクリン腺」はほぼ全身の皮膚内にあるのですが、「アポクリン腺」は、脇の下や耳の中、外陰部など特定の部位だけに存在しています。
脇の下には、この2つの汗腺が存在しているのです。このため、他の部位に比べると汗腺が多く、汗をかく量が多くなっています。
自分で解決?脇汗対策
脇汗は放っておくと、ニオイの原因となるだけではなく、服装に気を使わなくてはいけませんし、場合によってはせっかくのオシャレ服を台無しにしてしまう可能性もあります。
脇汗を自分で何とかしよう!と考えた時、一般的には制汗剤を使う方が多いのではないでしょうか。
制汗剤には、スプレータイプやロールオンタイプがあり、汗が出る部分をふさぐことで汗の量を減らします。朝起きた時、着替える前、汗をかくことが分かっているならその前など、1日1回~数回使用するとよいでしょう。
シャツに汗ジミが着くのが気になる場合は、常に脇汗パッドをつける方もいます。衣服と似た様な色を使えば目立ちませんし、汗を吸い取ってくれるので汗ジミが目立つことはないでしょう。
ただし、こまめに交換することがとても大切です。汗はそのままの状態にしておくと、ニオイの原因になりますし、色の薄い服であればシミの原因にもなります。前述のように「白い服の脇だけが黄ばむ」という、とても恥ずかしいことになりかねません。
汗をかいたらしっかりとタオルで拭き取りましょう。特に汗をたくさんかく夏場は、1日に数回、シャワーで脇をキレイに洗い流し清潔にしましょう。
自分の脇汗の状態は?
脇汗も、一般的な量であれば生活に支障を来すようなことはありませんが、度が過ぎるとそれは「多汗症」と呼ばれることになります。脇汗に対する診断基準としては、「原因不明の過剰な局所性発汗(脇汗)が6ヶ月以上持続していること」があります。これに加え、以下の6項目のうち2つ以上当てはまる場合、「原発性腋窩多汗症」と診断されます。
- 最初の発症が25歳以下
- 左右対称性に多汗がみられる
- 睡眠中は発汗がみられない
- 週1回以上、多汗エピソードがみられる
- 多汗によって日常生活に支障が生じている
- 家族歴がある
もし、原発性腋窩多汗症と診断されたのであれば、早めに医療機関を受診し、あなたの困りごとや、症状に合わせた治療を受けましょう。
もう脇汗なんか怖くない!クリニックで根本から治そう!
当院では、「脇の多汗症(原発性腋窩多汗症)」に対する治療法として、ボトックス注射を行っています。
ボトックス注射とは
ボトックス注射という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。ボトックスとは、ボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を主成分とした薬剤です。神経の伝達を弱める働きがあり、局所的に注射することで筋肉の緊張によってできるシワを和らげたり、脇汗を抑えることができます。
元々は、眼の周りや顔面のけいれんを改善させるために使われてきたものですが、それを応用して、美容の分野では額のシワや目尻のシワ伸ばしなどに使用されています。
脇汗のメカニズムとしては神経から汗腺に向けて神経伝達物質(アセチルコリン)が放出されると、汗腺が刺激を受けて汗が出ます。緊張したり運動したりして交感神経の働きが活発になると、アセチルコリンの放出が増えて汗が増えます。
ボトックスはこのアセチルコリンの放出を抑える作用があり、このボトックスを脇に注射すると、汗腺から汗の分泌量が減り、汗のニオイも減らすことができます。
当クリニックでは、厚生労働省による認可を受けたアラガン社製のボトックスビスタ®を取り扱っています。施術時間は10分ほどです。
まとめ
薄着の季節、脇汗を大量にかいてしまうと、せっかく腕や脚のムダ毛をキレイにしてツルツルのお肌になっても、魅力は半減です。いつも脇汗が目立たない黒いTシャツを着ていたり、上着が脱げずにさらにたくさんの脇汗をかいたりする生活って、辛いですよね。
今年こそ脇汗とサヨナラして、今まで以上に夏を楽しんでみませんか。