Dr.Hiromiの美容コラムDr.Hiromiの美容コラム

Column #8 2019/05/28

ほくろ除去

鏡を見ると、小さいながらも存在感を放つ「ほくろ」。特に顔にある「ほくろ」は気になりますよね。メイクで隠そうとしてもなかなか隠しきれず、「この『ほくろ』がなければ良いのに……」などと思う方も多いかと思います。しかし実際には、医療機関でほくろを取るところまで踏み出せない方、痛そうだからと諦めている方も多いのではないでしょうか。
今回は、「ほくろ除去」についてお伝えします。ほくろ除去に踏みだせない方に、ぜひ参考にして頂きたいと思います。

ほくろとは

ほくろは「良性の母斑細胞」の集まりで、医学的には「色素性母斑」もしくは「母斑細胞母斑」と呼ばれています。生まれつき(先天性)のものと、成長途中にできる(後天性)のものがあります。メラニン色素を含むため、褐色、茶色、黒色などを呈します。形状は、平坦なもの・隆起したものなどがあり、できる場所も様々です。
ほくろは、最初にできた時から少し大きくなりますがやがて成長は止まり、そのほとんどは直径5mm以下です。これ以上の大きさでさらに大きく成長している場合は要注意。注意すべきものについては、後半で説明します。

ほくろの種類と特徴

ほくろにはいくつかの種類があり、母斑細胞が存在する深さによって大きく3つに分けられます。

また、見た目も様々であり見分けがつきにくいものもあります。

ほくろの除去方法

ほくろの治療法は、レーザー機器を用いるか、外科的手術をするかに大きく分けられます。
実際には「ほくろの症状」によって最適な治療法は変わってきますから、クリニックで診断し患者さんのご要望も加味しながら治療法を選択していきます。

レーザー治療

当クリニックでは、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)を用います(自費治療)。波長10,600mmの遠赤外線レーザーを発し、水に対する吸収率が高いという性質があります。
皮膚は水分を多く含むため、照射すると一瞬にして熱を生じ、病変部皮膚組織を限局的に蒸散させ、ほくろやイボを削り取ります。出血はほとんどなく、お肌への負担が少ない治療です。
局所麻酔を行いますので痛みもほとんどありません。

外科的治療

大きなほくろや深いほくろ、悪性の可能性がある場合は、メスによる切除を行います。こちらの施術は、保険適応となります。

しかし、まずは「ほくろが良性のものか悪性のものか」を、きちんと確認することが必要です。場合によっては治療結果が異なる可能性があり、治療結果についても詳しく説明を受けましょう。

当院では、ほくろの種類や状態にあわせて適切な治療をご提案致します。
まずはお気軽にご相談ください。

ほくろ除去の概要、注意事項

ほくろ除去の概要は、以下の通りです。

概要

所要時間:5~10分程度
術後の処置:外用+テープにて保護。施術から1~2週間後に診察。
麻酔:局所麻酔
痛みや腫れ:ほとんどありません
術後のケア:メイクは照射部以外は可能。
料金:1ヵ所1mm 3,000円(手術の場合は保険適応)
※実際には個人差がありますのでご了承ください。

注意事項

ほくろ除去後のケアをきちんとすることで、早期回復につながります。
処方される塗り薬とテープ保護を指示通りにきちんと守って、毎日ケアしてください。

また、ほくろを除去した部位は紫外線による色素沈着が起こりやすいため、外出時にはテープを貼るか、紫外線吸収剤の入っていない日焼け止めクリームを塗るなど紫外線対策をしっかり行うことが大切です。

要注意のほくろ

要注意のほくろとして、「悪性黒色腫」というものがあります。これは皮膚がんの一つであり、皮膚のメラニン色素を作る色素細胞が癌化した腫瘍です。メラノーマとも呼ばれており、がんを全て取り除くのが治療の基本です。
早期発見、早期治療が有効ですが、早期の段階では通常のほくろと悪性黒色腫の区別がつきにくいという難点があります。「このほくろどうなのかな?」と気になるほくろが見られた場合は、自己判断するのではなく、医師による判断が必要です。
では、その悪性黒色腫の症状、できやすい部位についてみてみましょう。

悪性黒色腫は、下記のような症状の特徴がみられます。

悪性黒色腫の早期症状

①形が左右非対称である
②輪郭がギザギザしていて、ぼんやりしている(境界不明瞭)
③色にむらがある(色調不均一)
④長径が6mm以上
⑤大きさ、色、形、症状が変化する

できやすい部位

①末端黒子型:足の裏や手のひら、手足の爪の部分に発生しやすい
②表在拡大型:胸、腹、背中などの体幹や手足に発生しやすい
③結節型:部位は関係なく、全身どこにでも発生する。
④悪性黒子型:顔面、頚部など日光に照射されやすい場所に発生しやすい(高齢者に多い)

これらの症状がみられる場合は、悪性黒色腫の可能性が高くなります。
気になる方は、早めに専門医を受診しましょう。

まとめ

ほくろは、色や形、大きさも様々で、それぞれに特徴があります。
良性のほくろであれば、小さいものはレーザーで簡単に除去することが可能です。もし術後の経過など気になることがあるならば、カウンセリングで医師に詳しく聞いてみましょう。
一方、「このほくろ、だんだん大きくなっているな」「形がいびつだな」など、少しでも気になることがあったら、自己判断せず、医師の診察を受けましょう。まずは、ほくろが良性なのか悪性なのか見極めることが重要です。
そして、ほくろの種類、状態などから、適切な治療を受けましょう。